『WAGARAKU』メカニックブログ

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2014.05.13 Tuesday

ゴム型取り「量産」という技術

5月も中旬に入りましたね〜JUNです( ´ ▽ ` )ノ

五月病の月ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?(^^;

ところで、アクセサリーやジュエリーをお店やネットで見ていて思ったことはないでしょうか?

「何故、同じ形のものが沢山作れるんだろう?」と

今回はジュエリーの業者さんが色んな理由…

〇単に説明が長くなる。
〇専門用語が多くてウンチクくさくなる。
〇量産品という言葉がポジティブに受け取られない場合が多い。
〇どちらかというと職人の技術的な分野なので、宝飾業界でも詳しく知らない営業さんがたまにいらっしゃいます(^^;

…等々によりあまり大きく語られる事が少ない「量産」についての技術に触れたいと思います。

例にもれず、長くてウンチクくさくなりますが、画像とともに要点をまとめたつもり(^▽^;)なので、興味のある方はお付き合い下さい(笑


ではまず、量産したいもの(今回はイヤーカフ)を作ります。

↑シルバーの板材を使います。

イヤーカフといえば丸まってますよね。と、いう事で板を丸める為に火を入れます。

全体をバーナーでよく熱した後、水で急冷するとシルバーは柔らかくなります。

板状のシルバーをキュキュッとまるめて、ヤスリで形を調整します。

イヤーカフが出来ました。この状態↑を「原型」と呼びます。

次に原型に湯道(ゆみち)という金属の棒を付けます。

湯道の役割は後ほど解りますので、ここでは詳しい説明は割愛します。

更に湯道に金属の三角錐を取り付けます(この三角錐の役割も後ほど^^:)

金属関係の作業はここまで、後は型を取る作業に移ります。


ここからはシリコンゴムを用いて、ゴム型を取ります。

使用するゴムはこの3種類↓

それぞれ何が違うかと言いますと、柔らかさが違います。

因みにオレンジのゴムを「グニッ」っとやると、こんな感じです。

柔らかくて、手でちぎれます。

そして、こちらがゴム型を取る為のアルミ製の枠です。ここに原型とゴムを詰め込みます。

写真のものは、1度に2個ゴム型を取る為に、枠内にアルミ板を立てて2分割してあります↑
(今回使うのは右側の枠です)

先ほど制作したイヤーカフの原型を、ゴムで包む様にしてアルミ枠に入れます↓

色違いのゴムは、それぞれ柔らかさに違いがあるので、原型をより上手く再現する為に使い分けます。

アルミ枠いっぱいにゴムを詰め終わりました↓

原型はこの中に完全に埋まっております↑

↓こちらはホットプレスという装置です。ざっくり言いますと、熱くなるでっかい万力みたいなものです。

これでゴムをアルミ枠ごと挟んで150℃以上の熱と圧力をかけて焼き固めます。

チーン、焼きあがりました〜(写真はプレス板を上げた状態です)

↑熱と圧力でゴムがはみ出ているので、切除します。

アルミの板を外すと↓ゴムがキレイに焼き固められています。

因みに、ゴムは焼くと少し縮みます。

枠を外すと↓原型入りのゴムの塊が現れます。

アルミ枠の形にキレイに四角くなっています。


↓ゴムの塊の上面に必要な情報を油性ペンで書いておくと、管理に便利です。

そして、初期作業で取り付けた金属の三角錐を外します↑

これからこのゴムの塊を切り開く為に、メスを入れる線を油性ペンで書きます↓

ゴムの側面に引かれたこの線は「分割線」とも呼ばれ、この線に沿ってゴム塊は上下2つに切り分けられます。

こちらがゴム塊を切るときに使うツールです。

ゴム塊の下にあるのが爪付きの板で↑右のはよく切れる曲刃メスです。

まず、分割線にそって、浅めにメスを入れます。

因みに、メスは新しいと超よく切れるので、慎重に作業します。

次に、浅くメスを入れたところに爪を入れ
切れ目を開く様にしながらより深くメスを入れていきます。

ゴム塊を2分割出来るまで、各箇所から深くメスを入れます。

分割出来ました!!

これからゴムの中に埋まっている原型を取り出します。

左からゴム(上)・ゴム(下)・取り出した原型↓

因みに、原型の役目はここまでです。


再びゴム(上下)を合わせると、これにて「ゴム型」の完成です。

ゴム型の内部には原型の形をした「空洞」が出来ている訳です。


では、次にそのゴム型に溶けたWAXを流し込む作業に移ります。

↓この装置は「WAXポット」と呼ばれるもので、溶けたWAXが入っています。

使っているWAXの特性から、ポット内の温度は80℃〜90℃ぐらいで稼働しております。

画像中央のノズルを押すと、溶けたWAXが飛び出ます。

飛び出るので、普通に指などで押してはいけません。中身は90℃ぐらいの液体です。熱いです。

WAXポットのノズルをゴム型の凹み(金属の三角錐があったところ)にあてがいます。

そのままノズルを押し込むと(湯道のあったところを通って)ゴム型の中に溶けたWAXが流れ込んで行きます。

3秒程したらゴム型をノズルからゆっくり外します。

↑ゴム型の中にWAX(青色の部分)が入っているのがわかります。

しばらくおいて、ゴム型を開けます。

↑中に原型と同じ形をしたWAXが入っています。

WAXが取り出せる強度に固まっているのを確認してから、取り出します。



WAXによる複製完了!!原型と並べてみてもソックリですね(´▽`)b


「ゴム型にWAX注入→取り出し」を繰り返す事で、原型と同じ形のWAXを量産できるのです

ポポポポーンって感じですね(笑

こうして複製されたWAXは「鋳造」を経て貴金属となります。「鋳造」に関しては、またの機会に紹介したいと思いますf(^^;)


最後に、「量産品」というと何か希少性や特別な感じがしないですが、量産の技術はブランドとしての作品の安定供給(個々の作品の形や大きさのバラつきを最小限に出来る)と、コストダウン(同じものの制作にかかる時間の短縮)に役立っております。

世にある量産というものの全てが今回紹介した様な方法で行われている訳ではありませんが、土台にはこういった手作業があります。


う〜ん、書いてみたらすっごい長くなっちゃいましたね。ここまで読んでくれた方、ウンチク説明に付き合って下さり有難うございますm(_ _)m

やはり、手作業って大事ですね!!(´▽`)b

因みに、この記事の続きはコチラ↓です。
鋳造「量産」という技術



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↑是非ともご覧くださいませっ(´▽`)ノ


 

コメント

ご無沙汰しております。いつも、丁寧な製作紹介を有難うございます。なかなか普段にお目にかかれない現場は嬉しい情報ですね(^^)しかーし、あっという間に夏ですね。ドイツの作品披露を楽しみにしております。(^!^)
2014/07/02 10:34 PM by 小走り
>小走り様

コメント有難うございます。JUNです( ̄^ ̄)ゞ

この様に長い制作工程解説の多いブログなのですが、それを読んで更にコメントまで頂けるとは、非常に励みになります(^^

また、5月から1ヶ月間ドイツで展示販売していた作品については、国内販売用にカスタムしたもののリリース予定がありますので、その時に諸々発表いたします。

しばし、お待ちくださいませっ!Σp(°▽°)
2014/07/09 6:39 AM by JUN

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